おかえりアリス4巻 感想
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押見修造先生の漫画『おかえりアリス』を一気に読んでしまいました。彼の作品はなんだか悔しいけれど、読まずにはいられない魅力があります。セリフが書かれていないコマが多いのに、それぞれの心情や気まずい感じが沈黙によって表現されていると感じられ、作中の世界に引き込まれてしまいます。
思春期の性に対する戸惑いがリアルに描かれており、登場人物たちの不安にこちらまで共感してしまいます。
特に彗ちゃんとの風呂場での心から解放された性交渉と、三谷との一方的で無機質な性交渉が対照的に描かれており、その違いに考えさせられます。洋ちゃんからすれば三谷はなにを考えているのか全く分からない存在で、思春期の男の子が急に目覚めた異性をどう受け止めるのか、という点も考えさせられました。
現代ではミソジニーが進んでいて女性を嫌悪的にみる男性が増えている一方で、男性同士の友情を神聖視する声もあります。私自身も女性でありながら、男性の考えは未だに謎であり、同性の間の方が意思疎通が容易で居心地が良いこともあります。
性欲に振り回されながらも、洋ちゃんが今後どのような選択をするのか、彼と彗ちゃんの間でどのような展開が待っているのか、続きが気になって仕方がありません。押見修造先生の描く人間の複雑な感情と心の葛藤に触れることで、自分自身の思いも巡らせることができる作品だと感じました。引き続き『おかえりアリス』の世界に浸っていきたいと思います。
『血の轍』親子の共依存について考える事
本当に押見先生の描かれる漫画は、どこか人間の深い闇の部分が表現され、読んでると自分自身の中にある闇に気付かされる恐ろしさがあります。核家族化すすむ現代で、よく聞く言葉になってきた”共依存” そのことについて考えていきたいと思います。
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